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【2024/05/08 04:30 】 |
Gallery
*Gallery
(●=イラストや漫画 ■=小説)


June bride/れん
They have been married./デコポン
最良の選択/スタン
最愛なる厄日/キッド
Fullmoonの呪縛/れん
円満結婚?/ようとん
エンゲージに想いを乗せて/晴日
契約の指輪/桜庭
LINK/たままはなま
Engraved in my body and mind.*/紅月
Newlyweds!/飛鳥
青の魔法/良野りつ
あくまで結婚!/鶫
素直じゃない二人/月猫
瞳の奥をのぞかせて/月の雫
all the time/月の雫
まずは胃袋から攻めよ/ようとん
paradoxical reaction 逆説的反応/くろ
うれしはずかし新婚初夜*/矢野かげみ
セバシエWedding/飛鳥
YES・NO枕withセバシエ/飛鳥
Happy Wedding/真理
ファビュラス!*/白躑躅
キスまでの距離/そうた
Happy Wedding/黒音ユウ
"I hope nothing." That is a downright lie./キッド
Happy Wedding/九条静音
僕を地球に連れて帰って/くろ
Honey/月の雫
右肩の蝶/たままはなま
Secret oath/良野りつ
Prisoners' Dilemma and Devil's Dilemma 囚人と悪魔のジレンマ/くろ
永遠の契約を*/九条静音
shall we dance?/れん
without you/月の雫
愛の証/ポッポ
Happy Wedding/たままはなま

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【2017/05/28 11:04 】 | Gallery | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
Happy Wedding/たままはなま
【2011/07/04 01:27 】 | Gallery | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
愛の証/ポッポ
何も解決しないまま時は過ぎて夜を迎えた。
甘い時を過ごしていた寝室には会話が無く、沈黙が流れている。
今まで二人でいる時の沈黙を気まずく感じたことは無かった。
黙っていても心が通じているような気がしていたから。

しかし今は―――



「坊ちゃん、袖を通しますので腕をお上げ下さい」

「ああ」


分からない。貴方の考えていることが。
見えない。貴方の心が。

ナイティを着せる手がふと、シエルの肌に触れる。
ほんの一瞬。指先がすっと触れた。

それだけなのに


「ッ・・・」


ビクリと震えるシエルの身体。
再びセバスチャンを拒絶するように。
ナイティを着させていたセバスチャンの手も自然と止まる。


「・・・もういいです」


セバスチャンの言葉が暗い部屋に響いた。


「私のことが嫌いになられましたか?」


セバスチャンが静かに聞く。
もう限界だ。愛しい人からこんなに拒絶されて。
己の中で暴れる感情をコントロールすることが出来ない。


「ッ・・・違う!!」

「違わないでしょう?先程から私をあんなに拒絶して」

「これは・・・!」

「プロポーズのせいですか?他にお好きな方でも出来ましたか?」

「違うッ!!!セバスチャンッ!!」

「嗚呼、それとも・・・」


伏せていた顔をあげてシエルを見つめる。
その瞳からは美しい紅茶色が消え、怒りを含んだ悪魔の瞳が悍ましく紅く光っていた。


「元から私を好きではなかった?」

「ッ・・・」

「私を好きなふりをなさって。騙していたのですか?」

「セバっ・・・」

「人間は嘘をつく生き物ですからね。」


辛辣な言葉が次々と口から出てくる。
その一言一言にシエルの顔が歪んでいく。


「さぞ面白かったでしょう?悪魔が人間にこんなにも振り回されて・・・」



パンッ

シエルの手の平がセバスチャンの頬を思い切り叩く。
渇いた音が静かな部屋へと良く響き、その後に時が止まったのかと錯覚を覚えるような沈黙が続いた。


「お前、本気で言っているのか」


シエルのいつもより低い声が響く。
驚いて固まっているセバスチャンのネクタイを思い切り引っ張る。
いきなりの事に上手く対応できずセバスチャンがバランスを崩しベッドへと倒れる。
そしてその上にシエルが乗って掴みかかった。


「僕がお前を愛していないって?」


見上げる形になって初めてシエルの表情をまともに見てはっとする。
その顔は苦しそうに歪められ、瞳には溢れんばかりの涙が溜まっていた。


「今までの僕は全て演技だと?お前を騙すために僕が身体を繋げることを許すとでも?
 ふざけるな!!何故僕がそんな事をしなければならない!?」


蒼い瞳がしっかりとセバスチャンを捉える。
一気にまくしたてたシエルが肩で息をしている。
そしてセバスチャンの肩口に顔をうずめる。


「僕はお前を愛している」


小さな声での告白。
滅多に愛を囁かないシエルの小さな小さな。
その言葉にセバスチャンの中で渦巻いていた黒いものも次第におさまっていった。


「では何故・・・?」


私を拒絶したのですか?

セバスチャンが寂しそうな声色で聞く。
いくら悪魔といえど、愛しい人から拒絶されれば胸が痛む。


「お前からプロポーズされてから色々と考えた」


シエルの口からプロポーズという単語が出てはっと顔をあげる。
色々とあったせいで自分がプロポーズをした事を忘れていた。


「僕は・・・出来ることならお前のプロポーズに応えたい」

「では・・・」

「でもそれは出来ない」

「え・・・?」


シエルが俯く。
何故・・・?
貴方は私を愛してくれているのでしょう?
応えて下さりたいのでしょう?
なのに何故・・・


「お前の為を思うとそれは出来ない」

「それはどういう・・・?」


私の為・・・?
私の願いは貴方と結ばれる事なのに・・・どういう事ですか?


聞きたい事がありすぎて不安になる。
このような事は数え切れない時を生きてきたが一度も無かった。
悪魔である自分には人間の考える事などほとんどお見通しで、先を読めない事は殆ど無かったのだ。

全てが初めて。
愛することも。
相手を思い悩む事も。
それがセバスチャンを不安にさせる。
胸を締め付け、苦しめる。
そんなセバスチャンを分かってか、黙り込んでしまったセバスチャンの黒髪をさらりと撫でてやる。


「お前は僕を全力で愛し、永遠に僕の側に居てくれるだろう」

「ええ、全身全霊で貴方を愛し、守り抜きます」

「そうだ・・・僕は幸せだな」

「坊ちゃん・・・?」


でもな、とシエルが続ける。
その顔は苦しみを耐えているように歪められている。


「僕にはお前の幸せが見えないんだ」

「え・・・?」


そんな事がある筈がない。
貴方が側に居てくれるだけで私は幸せなのだから。


「一瞬の幸せは幸せとは言わないんだ、セバスチャン」

「っ・・・」

「お前も分かっているだろう?僕は人間だ。お前と違って寿命がある。と言うことはこの関係にも終わりがある。」

「それでもっ・・・!」

「それでも良いとお前は言うだろう。でも僕は心配なんだ」


シエルの手がセバスチャンの頬に添えられる。


「この関係が終わった時・・・お前は悪魔に戻れるか?」


静かに問われる。
悪魔に戻れるか・・・この問の意味はつまり
”お前は愛した人を失った時に悪魔として立ち直ることが出来るのか?”
嗚呼・・・なんて貴方らしい。
過去に大事な者を失った経験があるからこその質問。
人間くさくなってしまった悪魔で恋人への。


「この契約に終わりが来た時、お前は躊躇うことなく僕の魂を喰らうことが出来るか?後悔はしないか?」

「っ・・・」


この問いにイエスと応えるのがベストなのだろう。
人間の魂を喰らう本来の悪魔である私ならば。
でも、今の私には・・・

躊躇いなく魂を喰らうことが出来るか?
出来る筈がない。
魂を喰らうこと自体躊躇っている自分がいるのだから。

貴方の生が尽きる最期まで貴方の傍にいたい。
貴方を愛し抜きたい。

そう思うようになったのはいつ頃からだろうか。


「魂を喰らう事を躊躇っているんだろう?僕を失う事を恐れているのだろう?
美学に忠実な悪魔が、それを放り出そうとしているのだろう?」

「・・・」

「そんな人間くさくなったお前が心配なんだ・・・僕がいなくなった後、悪魔として生きていけるか」

シエルの声が震える。
まるで痛みを耐えているかのように。


「本当は最初から止めるべきだったんだ。歯止めが効かなくなる前に。」


警戒音はずっと鳴っていた。
これ以上進んではいけない。
これ以上踏み出しては後悔する、と。
ずっと、煩く二人の頭の中で響いていた。

それなのに―――


「己を蝕むこの感情を抑えることが出来なかった。お前も、僕も。
 つい最近まではそれでも良いと思ってしまっていた。お前からプロポーズされるまではだ。」


だけどこのままではいけない。
このままではセバスチャンは辛い苦しみを味わう事になる。
自分が過去に味わった。いや、それ以上かもしれない痛みを。
大切な者を失う痛み。

長い間生きているお前でもこの痛みは分からないだろう?
いや、長年を生きている悪魔だからこそ耐えられないかもしれない。
今まで一寸たりとも愛などを知らなかったのだから。


「僕はお前を壊したくない」


瞳いっぱいに涙を溜めてシエルが言う。
セバスチャンは静かにシエル言葉一つ一つを聞いている。



「だから、な?セバスチャン。
 もう止めよう。今の内に。まだ引き返せる内に」


シエルの瞳から涙が落ちてセバスチャンの燕尾服に染みを作る。
その光景を無言で無表情で見つめていた。




「もう引き返せませんよ」

「え?」


黙っていたセバスチャンが口を開く。


「私達はもう引き返せない所まで来てしまった」

「っ・・・それでも」

「この想いを捨てろと?無理ですよ・・・それは貴方が一番分かっているはず」


シエルが溢れんばかりの想いを必死に抑えているのは分かる。
その涙を溜めた瞳から、掠れた声から、震えた身体から。


「貴方の命令でもこの想いを捨てることは出来ません。そうすれば私は後悔と絶望で狂ってしまう」

「っ・・・」



セバスチャンが上半身を起こし、くっくっくと可笑しそうに喉の奥で笑った。


「クスッ・・・嗚呼、本当に貴方には敵いませんね」


悪魔である私の幸せなんて願う必要などないのに。
貴方が本気で私を愛してくれていることが分かる。
その事を疑った先程までの自分を殺してやりたいぐらいだ。


「笑い事じゃない!!」


カッとなって怒鳴ろうとしたシエルだったがセバスチャンの表情を見て、何も言えなくなった。


「大丈夫ですよ・・・」

「セバス・・・チャン?」

「私を何だと思っているのです?」


悪魔で執事ですよ。
そう言ってにっこりと笑うセバスチャンは本当に幸せそうで。


「私はなんとか生きていけます」

「悪魔のお前だからこそ無理なんだッ!最愛の者を失った後の孤独に耐えられるわけ・・・」

「孤独じゃないですよ」

「っ・・・?」


愛おしそうに見つめ、シエルの手をそっと掴み己の胸へと運ぶ。


「貴方はいつも私と共にいてくれるでしょう?」

「セバ・・・」

「貴方と過ごした時間、貴方と共に見た風景、貴方と愛し合った日々、それらは全て鮮明に私の中で生き続けます。永遠に。」


だから今、貴方と過ごせるこの一瞬一瞬を大切にしていたい。
それらがこれからの私を作る糧となり力となっていくのだから。


「それでも、時には貴方を思い、貴方のいない痛みに耐えられなくなる事もあるでしょう。私は貴方のように強くないですから」


重ねた手に力を込める。


「ですから私がこの後も悪魔として生きていけるように、
 貴方がいないという事実に負けてしまわないように、
 欲しいのです。」



貴方と愛し合った証が
永遠に消える事のない証が


だから―――




「結婚して下さい、シエル」



悪魔の紅い瞳から透明な涙が零れる。

永遠の愛の証を私に。
人間らしく、弱くなってしまった悪魔が生きていけるように。
貴方の証を。




「ふっ…馬鹿だお前っ」


シエルがクスクスと笑う。
泣きながら笑うシエルが本当に綺麗だと思った。


「せっかく僕がやり直せる機会を与えてやったというのに」

「そんなものいりませんよ、私には」

「・・・今まで以上にこき使ってやるぞ。途中で音を上げて離婚とか言い出しても離してやらないからな」

「クスッ・・・覚悟は出来てますよ」


泣きながら二人で抱きしめ合う。

(嗚呼・・・この人と巡り会えて、愛し合えて本当に良かった)


自分より数倍も大きい背中を一生懸命抱きしめてくる腕の中の恋人に
言葉では言い表せないような感情が心の底からこみ上げてセバスチャンを支配する。


神に感謝しなくてはですね、この出会いを。
神に抗う存在である悪魔にシエルという光を与えてくれたことを。

過去の自分に聞かれたら笑われますね。


「クスッ・・・」

「ん・・・?どうした?」

「いえ何でも。ただ、幸せだと思いまして」

「この馬鹿悪魔・・・」


そしてどちらからともなく口づけを交わす。


「そういえばプロポーズの答えは・・・?」

「・・・っ・・言わなくても分かるだろう」

「いえ、貴方の口から聞きたいです」


お互いの唾液で濡れたシエルの唇をぺろりと舐めて言う。
シエルは顔を真っ赤に染めて視線を背けるが、少し考えてまたセバスチャンに向き直った。
そしてセバスチャンの耳元に顔を寄せる。


「坊ちゃ・・・」

「愛してる」

「っ・・・」


あまりにも率直な告白に、言葉を要求したセバスチャンの頬が紅く染まる。
そんなセバスチャンに満足したようにシエルが笑みを浮かべる。


「永遠にお前の側にいてやる。お前の中で生き続けてやる。根性無しの悪魔がへこたれないようにな」

「根性無し・・・ですか」


なんともシエルらしいプロポーズに苦笑する。
しかしそれがたまらなく愛おしい。


「私も愛しています・・・坊ちゃん・・シエル」

「ん・・・僕もだ」




貴方とこの世界で共にある時間は限られているでしょう。
そう、この世界では。
貴方は永遠に私と共にある。
そう、私という世界の中で。

それだけで私はこれから数億年という長い時でも生きていける。



「永遠を貴方と共に・・・」

「ああ、お前と共に・・・」



誓うように唇が重なった――




end


++++++++++++

そしてこの後、二期の衝撃の最終回を迎え坊ちゃん悪魔化!
これで本当に永遠に一緒にいられるようになったというね・・・!!ずっと一緒!!

改めまして、ポッポと申します。こんなに素晴らしい企画に参加させてくださり有り難うございました。
そして、締め切りぎりぎりの提出で皆様本当にご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした。
今回の提出させて貰った作品ですが、とにかくプロポーズを断られるセバスチャンを書きたくて書きました(笑)
最初はオールギャグで行くつもりでしたが若干シリアスに・・・。シリアスにもなりきれてない気がしますが;;

未熟な文ですが最期までお読み頂き有り難うございました。
最期に一言・・・素敵企画万歳ッッ!!!セバシエ結婚おめでとうっ!!!
ありがとうございました^^

【2011/07/04 01:22 】 | Gallery | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
愛の証/ポッポ
翌朝。
カーテンを開け、部屋に朝日の暖かい光を入れる。
注いだアーリーモーニングティーを渡すと、良い香りだと言ってそれに口をつける。

いつもの朝。
いや、違う。
私を・・・見てくれない。
私を見つめるあの蒼く美しい瞳が、今日は逸らされたまま。


「あの、坊ちゃ・・・」

「今日の予定は?」

「・・・本日の予定は・・・」


予定を告げれば、そうかと一言残して早々に部屋を出て行くシエル。
まるでセバスチャンから逃げるように。


「坊ちゃん・・・」


ドアが閉まるのを見つめることしか出来なかった。

仕事中も会話は最低限。
書類を見つめているはずのシエルの瞳は、文字を追わずどこか虚ろで考え事にふけっているといった感じである。

(私のことを考えてくださっているのでしょうけど・・・)

どこか複雑である。
恋人が自分の事を考えてくれるのは普段なら嬉しいことだが。


「坊ちゃん」

これ以上思考にふけっていると疲れ切ってしまうのではないかと思い、声を掛けてシエルの気をこちらに向ける。


「なんだ?」


気はこちらに向いたが、視線はいまだに逸らされたまま。
それが気に食わずセバスチャンが眉を顰める。

(私を見て下さい。貴方のその美しい瞳に私を写して。)

シエルの顎に指を添えて顔を近づける。


「!?セバスチャ・・・」


驚いたシエルがようやくセバスチャンを見る。
瞳に映ったことに満足したセバスチャンがそのまま口づけようと距離を縮めた。

あと、少し。あと3cm。あと2cm。あと――

「や、やめろっセバスチャンッ!!!」


凄い力で胸を押され、シエルが逃げる。
そのままの体勢で動けなくなってしまった。

「坊・・ちゃん・・・?」


明らかな拒絶。
今まで羞恥から逃げるような素振りをしたことはあったが、このようにあからさまに拒絶されるような事はなかった。

何故?
何故ですかシエル?
私達は恋人でしょう?あんなに愛し合っていたではありませんか。

聞きたいことは山程あるが、今は何一つ言葉にすることが出来なかった。


「部屋から出て行け」

「ですが・・・!」

「一人にしてくれっ・・・!!」


そう命令するシエルは今にも泣きそうに顔を歪めている。

(泣きたいのは私のほうなのに何故貴方がそのようなお顔をなさるのです?)

それでも従わずにはいられずに、御意と一言答えて部屋を後にする。

嗚呼・・・貴方の考えていることが分からない。



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【2011/07/04 01:21 】 | Gallery | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
愛の証/ポッポ
夜。
いつものように入浴の手伝いをして、
いつものように、その白い肌にナイティーを着させた。


「坊ちゃん、就寝前に聞いて頂きたい事があるのですが…宜しいでしょうか?」


甘い声でそう尋ねれば、可愛らしく首を傾げる恋人。


「坊ちゃん・・・いえ、シエル」


名前で呼べば、恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに微笑む恋人。
嗚呼…本当に可愛らしい。

その恋人に啄むようなキスを送ると、擽ったそうにしながらも必死に受け入れている。

この瞬間が永遠に続けば良いと思う。
時間が止まってしまえば良いと本気で思う。
永遠の時を過ごしている悪魔の私が。

この人の全てを手に入れたい。
魂だけではなく、その身体も心も何もかも。


蒼く美しく光る瞳を真っ直ぐ捕らえる。
この瞳に映るのが私だけであって欲しい。
他の者など見ないで。

私だけ
私だけを


嗚呼・・・本当に・・・。

契約だけの関係だった筈なのに、
こんなにも貴方に惹かれ執着し、
こんなにも掻き乱されて
こんなにも簡単に悪魔である私が崩れていく。



「私と一緒に・・・永遠を過ごして頂けませんか?」


そう告げれば


「何を言うかと思えば・・・契約がある限り永遠に一緒だろう?」


そう言ってクスリと笑う貴方。
違う。
私の言いたい事は・・・


「生涯の伴侶になって頂けませんか?」


ピクリと貴方の肩が震える。


「…というのは?」


聞き返して来る貴方の手の指先に口づけ、
揺れる瞳をしっかり見つめる。


「結婚して下さい、マイロード」



跪きシエルの目をしっかり見つめて思いを告げる。
驚いたように目を見開いて固まっているシエル。
しかし、そのまま黙り込んでしまった。


「・・・あの、坊ちゃん?」


沈黙を先に破ったのはセバスチャン。
なかなか返って来ない返事に不安になって、シエルの表情を見ようとすると、
シエルが目を逸らし俯いてしまった。


「坊ちゃ・・・」

「少し・・・時間をくれ」

「・・・え?」

「悪い・・・」


今度はセバスチャンが固まる番だ。
その言葉に思考が完全に停止する。
先程までの甘い空気は消えて、思い空気が流れる。

まさかフラれるとは思っていなかった・・・いや、フラれてはいない・・・筈だ。
時間が欲しいと言われただけで・・・。
そう分かっていても沸き上がってくる焦燥感は止められない。頭が上手く働かない。


「今日はもう寝たい・・・」

「あ、はい・・・お休みなさいませ」

そう言って布団に潜り込んでしまう。


どうして?
あんなに愛し合っていたのに・・・
何故ですか・・・シエル・・・



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【2011/07/04 01:19 】 | Gallery | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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