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「おはようございます、坊ちゃん。気分はいかがです?身体は大丈夫ですか?」 滅茶苦茶、癇に障る爽やかですっきりしたような笑顔でセバスチャンは僕の横になっていた。 昨夜と違って辛うじてシャツは羽織っているが、胸元は大きく開きよく見ればシャツも皺だらけでどんなに勘の鈍い人間でもセバスチャンが夜が明けるまで何をしていたか明白だ。 「痛い、怠い、起きたくない…」 「今日の予定は全てキャンセル致しましょう。今日はゆっくりお休みになってはどうでしょうか?」 「おい…どう説明するつもりだ」 「まさか、坊ちゃんが私とベッドの中で一夜を共にしたなんて本当の事言えるわけないでしょう?無難なところで風邪ということにしておきますから」 お体が冷えてしまいますよというと僕の腕を引っ張って身体を抱き寄せた。そう思うなら何か服を着させろと言おうか迷ったが思ったよりセバスチャンの腕の中が居心地良かったので黙ることにした。 「…僕は初めてだったんだぞ。なのに5回もやるなんて…」 「正確に言えば9回です」 「きゅうかっ…」 絶句する僕に更にセバスチャンは続ける。 「坊ちゃん、最後ほとんど意識がありませんでしたからね。私も止められませんでしたし…ちなみに言わせて頂ければ、9回とは私がイッた回数で坊ちゃんはもっと多いですけど…」 「なっ…なっ…」 あまりの赤裸々な内容に二の句が継げない僕に構わず更にとんでもないことを続ける。 「まさか、初めてでドライをされるとは思いませんでした。…坊ちゃんは才能がありますね」 「何の才能だ!もういい!」 正直そんな才能があると言われても嬉しくない。 「坊ちゃん、怒りましたか?」 「当たり前だ!しかも意識のないときになんて…」 「だって坊ちゃん私を置き去りにして何度も失神してしまいますし、私だって辛かったんですよ?ですが貴方のあどけない寝顔を見ていると私も我慢できなくてですね…」 「まさか…おまっ!意識のない僕を……」 「ええ、意識はありませんでしたが身体は反応していましたよ。坊ちゃんの中は大層熱く私に絡みついてきてとっても気持ち良かったです。正直抜きたくありませんでした」 「この厚顔無恥男!もういい!昨日の話は!」 同じことを二度叫ぶ。顔はきっと真っ赤になっていることだろう。セバスチャンはにやにやとこっちを見ている。なるほど、フランシス叔母さんの言うとおりのいやらしい顔だ。 「あんなの僕じゃない…」 昨日の淫らな自分を思い出す。甘い嬌声を上げ続けてはしたないほど足を開いて何度も何度も気持ちいいとかもっと奥までとか恥ずかしいことをたくさん強請った記憶がある。セバスチャンの腰に足を絡めて、時には犬のように高く腰を上げてまぐわった。セバスチャンの精液を奥に注がれて何度も失神しそうになった。あんな娼婦のような淫乱な一面が自分にあったなんて思いたくなかった。 「ええ、分かっていますよ」 ポンポンと宥めるように頭を叩かれて、荒んだ気持ちが晴れていくのを感じた。 「あれほど貴方が乱れたのは昨日だけの特別ですよ」 「どういう意味だ?」 「あの指輪は本来持っている相手への欲望を顕著にするのです。特に肉欲の方をね。つまり貴方への私の肉欲を。そして指輪を嵌められた方はその相手に同調してその肉体に恋焦がれて欲情するのですよ。ですからあれほど貴方が淫らだったのは私の欲望に引きずられて…ということですね」 「つまりお前の求めに反応してあんなに乱れていたという事か」 「まあ、そうです。…坊ちゃんがもう少し成長されていれば私ももう少し長く楽しめたのですが…」 「………」 何を楽しめたというんだ、何を。 そう聞き返したかったが藪蛇になりそうだったので沈黙することにした。 「それでは、坊ちゃん。話が変わりますが…」 「ん?」 今までのいやらしい笑みは消え去り、急に真面目な顔になった。それにつられて僕も今までの膨れっ面をやめて真剣に相手に向かい合う。 「坊ちゃん、例の『お遣い』の件ですが…」 僕がこいつの部屋に忍び込んで指輪を物色していた時、こいつは僕の裏のお仕事の為にお遣いに出ていたのだが、どうやらその話らしい。 「ああ」 「失敗してしまいました」 「……っは!?」 ファントムハイヴ家にあるまじき失態との謝罪文句も今は遠くに聞こえる。 こいつが失敗するなんて想定外だった僕は当然理由を問いただす。 「何故、失敗した!?」 「坊ちゃんの所為ですかね」 「はっ!?」 僕の所為だと!? 「どういうことだ」 「あと一歩のところまで敵を追いつめましたが、貴方があの指輪を嵌めて倒れたのを感じとりまして…」 「………」 「止めは刺さずに慌てて貴方の元へ戻ったのですよ」 一刻の猶予も争う状態でしたので。 「………」 それを言われてしまえば僕に反論の余地がない。黙り込んでしまった僕に溜息を吐いたセバスチャン。それは呆れか嫌味か。 「大丈夫ですよ、坊ちゃん。今日にでも片づけてきますから」 どうやら呆れでも嫌味でもなく困ったときの溜息だったらしい。僕の顎を掴むと昨日の荒々しい官能的なキスではなくそっと羽に触れるようなキスをされた。 「…行ってきますね?今度はいい子にしていてくださいよ」 最後の嫌味のようだが。多分、放っておいたら僕がベッドを抜け出して仕事に向かうとでも思っているんだろう。普段だったらそうするが今回は、本当に足腰立たない為、残念ながら――こいつにとっては幸いに――それはないだろう。 「分かった。とっとと行ってこい」 ひらひらと手を上下に振ってさっさと行ってこいと示す。 その手を取ってキスをするとゆっくりと僕を開放してベッドから抜け出していく。何でやること言うことがいちいち気障なんだ、この男は。シエルはキスされた手を握りしめて耳まで真っ赤にする。―――――僕以外にこんなことしてるんじゃないだろうな? つい旦那の浮気を疑う妻のような心境に陥ってしまう。実際、僕はこの指輪のせいでこいつと結婚してしまったことになっているようだが……。 僕に背を向けて着替えるセバスチャンの背中にはたくさんの生々しいひっかき傷がある。昨日無我夢中で縋り付いた時、僕がひっかいたのだろう。その背中を直視できなくて顔をそむける。 あんなにたくさん傷をつけたとは思っていなかったのだ。 「セバスチャン…その…」 「何でしょうか?」 「…背中…大丈夫か?」 「…心配してくれているのですか?」 何処となく嬉しそうに聞こえるセバスチャンの声に僕まで嬉しくなりそうで照れてしまう。 「それは…まあ…僕の所為だし…」 「ご心配なく。それに言いましたよね?いくらでも爪を立てて構いませんよと」 『辛いですか?背中に爪を立てて構いませんよ』 『もっとつよく縋り付いて私を離さないで…』 確かにそんなこと言われた気がする。あの時は色々必死だったので記憶に些か自信がないが。 「それに男にとっては背中の爪痕は勲章みたいなものですから」 「そんなもんか…?」 「ええ、ですからお気になさらずに…次もたくさんつけていいですから」 セバスチャンは身支度を終えて立ち上がる。次ってなんだ。次って。またアレをやるのか。恥ずかしかったし、痛かったし、まあそれだけではなかったけれども…しばらくはやらなくてもいいと思っていたが、どうやらセバスチャンはそう思っていなかったようだ。 「ところで坊ちゃん」 「ん?」 「行ってらっしゃいのキスはしてくれないのでしょうか?」 「なっ!?」 本当に今日のこいつはどうしたんだ!?そう思わざるを得ない。いつもストイックでそんなもの興味ありませんみたいな態度しておいてとんだ詐欺師だ。 「ば、馬鹿言ってないでとっとと行ってこい!」 「………」 『行ってらっしゃいのキス』を僕が拒否した途端、拗ねた顔したこいつに恥ずかしいやら、嬉しいやら呆れるやらしていると、いつまでたっても動こうとしない僕にますます臍を曲げた顔をしている。 「ちょっとこっち来い…」 起き上がり額を抑えて空いている方の手で手招きする。セバスチャンは無言でこちらまで歩み寄る。 セバスチャンの襟刳りを掴みぐいっと顔を引き寄せた。 「―――行ってこい」 セバスチャンの唇に己のそれを重ねて瞬時に離れる。恥ずかしい。二度とこんなことやらないからな。照れてそっぽを向く僕の頬に手を添えたセバスチャンはそのままもう一度自分の顔へと引き寄せてキスをした。昨日のように舌を入れた荒々しいものではなかったけれど重ねては離してまた重ねての繰り返し、触れ合うだけのキスだった。正直、こうやって理性のあるうちにこんなキスを繰り返しているなんて羞恥心で頭が沸騰しそうだ。 「…坊ちゃんの唇は柔らかくて気持ちいいですね」 「なっ!?」 離れるのが名残惜しいです。そんな僕の羞恥心を最大限煽るような言い方をして離れざまもう一度軽く重ね合わせて身体を起こす。ひとこと文句でも言ってやろうと口を開こうとするが、セバスチャンの人差し指に阻まれて何も言えなくなってしまう。 「それでは行ってまいります」 そう言ってベッドから離れていくセバスチャンに言いようのない寂しさを感じている時点で僕は最早、末期だ。 「今夜は僕の部屋まで来い」 この台詞に特に他意はなく、ただセバスチャンにお遣いの報告をしに来いと言ったつもりであったが、セバスチャンはそう受け取らずとんでもないことを言いだした。 「それは夜這いに来いとのお誘いですか?」 「なっ…なんて突拍子もない事言い出すんだ!お前は!」 「おや、違うのですか?」 「ち、違う!」 精一杯否定する。ぶんぶんと勢いよく首を左右に振っていたがセバスチャンはそれを綺麗さっぱり無視した。 「そうですか…。でも私は今夜はそのつもりで来ますので」 私との夜の為にしっかり休んで体調を戻してくださいね。 暗に今日もセックスしましょうと言われているのだ。恥ずかしくて顔から火で出そうになる。 「そ、そんなつもりで来るなら、もういい!今日は来るな!」 「駄目です」 「何で!?」 こいつ執事の癖に主人である僕に刃向うつもりか!お前が普段から言っている悪魔の美学はどうしたと金切声を上げたい気持ちに駆られる。僕が不満げに奴を睨んでいるとセバスチャンがにっこりと笑った。 「坊ちゃん。余談ですがどうして結婚指輪を薬指にしているか知っていますか?」 「?……そんなことと今の話に何の関係がある」 「―――起源は古代ローマからきているのですが、ローマ人の解剖学では左手の薬指の血管が心臓に直結していると考えられていました。心臓の中に感情の中心があるとされ、これが愛に結びつくことから左手薬指に嵌める習慣が生まれました。しかし、その根底には指輪の装着によって男性が女性を支配しようと考えていたのです。心臓に直結している左手薬指に指輪を嵌める、つまり心臓を封印して女性の意志を封印してしまうという意味合いもあったのです。まあ、合理的な根拠もありますがね…右利きの人間が多いため、利き腕の右手に指輪を嵌めていると邪魔になったり、指輪自体にも損傷を与えてしまうということがあるから左手に嵌めるという考えもありますが」 なるほど…そんな考え方があったのか…。 「それとこれと何の関係が?」 僕の部屋に来るなという命令と結婚指輪を左手の薬指に嵌める理由と何の意味がある。 僕の疑問は不自然なものでないはずなのにセバスチャンは坊ちゃんは案外に鈍いですねと馬鹿にしたような口調で喋った。誰が鈍いって?馬鹿にするな。子供扱いしやがって…お前は昨日その子供に何をした。 「意味が分かりませんか」 「分からん」 素直に答えた。 「私たちは『執事と主人』、『悪魔と獲物』という関係でしたが、今日から新たに『夫と妻』つまり夫婦としての関係も加わります」 「!?そ、それは…」 「おや、認めたくないですか?ですが昨日も言いましたよね?この契約は破棄できないと、つまり離縁することはできないんですよ。私は永遠に貴方の夫ですし、貴方は永遠に私の妻です。これからも貴方に仕える執事として貴方の主人としての命令には忠実に従いましょう。 ただし、貴方の妻としての命令には従いません。貴方の心臓は私が昨夜封印してしまいましたからね。貴方の意志は聞きません。―――――特にベッドの中のことではね。私は貴方の夫としての当然の権利を果たそうとしているだけですよ」 「ふざけ…」 「ふざけていません。ですから今日も貴方とベッドを共にするつもりなので」 よろしくお願いしますね、坊ちゃんと笑うセバスチャンに愕然とする。 「あ、あんな恥ずかしいこと何度も出来るか!お前はもう僕のベッドに入ってくるな!」 「おや、新婚早々別所宣言ですか?そんなの聞けませんね」 飄々としたセバスチャンの何処吹く風といわんばかりの態度に僕はこれからのことを考えると羞恥心でわなわなと震える。 「な、何が新婚だ!寝言は寝て言え」 「おや、昨日だって散々言ったでしょう?まあ、寝言というより睦言ですけどね」 しれっというセバスチャンにシエルは顔を真っ赤にする。 「もう忘れましたか?なら今から昨日のことを再現しましょうか?」 「やらんでいい!第一何度も何度もあんなことするなんて僕には無理だ!」 「坊ちゃん、体力ありませんものね。大丈夫です。数をこなせば簡単に気持ち良すぎて失神するなんてことありませんから」 「なっん、て厚顔無恥な男なんだ!お前は!」 「それは坊ちゃんの方では?昨日だって『セバスチャン、気持ちいい…もっと奥まで』『セバスチャンの熱で僕を溶かして…』『ずっとこのまま繋がっていたいとか』他にも…」 「うわああああああああああ!な、何を言い出すんだ、お前は!!」 「もっと際どいこともたくさん言っていましたが?『セバスチャン、もう我慢できない…僕の中にセバスチャンの…「もういい!やめろおおおお!」 絶叫しぜえぜえと酸素不足で喘ぐ僕をいやらしい笑みで見ているセバスチャンを殴り倒したい。 「初夜の貴方は大変可愛らしくて情熱的でしたのに起きた途端これですか…」 「悪かったな!普段は全然可愛げがなくて!」 「そんなことありませんよ。私の言葉に今真っ赤な熟れたリンゴのように頬を膨らませている貴方は大変可愛らしいです。このまま食べてしまいたいです」 「食べっ…」 「また今日も気持ちいい事いっぱいしましょうね?夫として貴方に閨の手ほどきをしてあげますから」 「なっ…そんなのいらな…」 「お言葉ですが坊ちゃん。夫婦の営みとは大事なことですよ。ベッドでのコミュニケーションは坊ちゃんが特に素直になりますからね。そんな貴方を見てしまうと私もついつい熱が入ってしまって…」 「……悪魔というものは皆絶倫なのか…?」 「いえ、坊ちゃんが特に可愛らしいからいけないんですよ」 「…お前…本当に恥ずかしいことしか言わないんだな!」 「それこそ坊ちゃんのお好きな事実ですよ。可愛らしい私の奥さん」 犬も食わない痴話喧嘩とはこのことを言うんだろうなとセバスチャンは思った。目の前には羞恥心から頬を薔薇色に染めて、潤んだ瞳でベッドの中に全裸でいる自分の妻を見る。 身体にはあちこち情交の跡が残っていて自分の独占欲にセバスチャンは苦笑してしまう。 これ以上シエルを見ていると昨日の続きをしたくなってしまいそうで、話を切り上げて扉へと向かう。 「では行ってきますね」 「ん」 ノブに手を掛けて振り返るとベッドの中のシエルはこちらに背を向けた状態で寝ていた。 薄い肩が布団から覗いていて、シエルにはもう少し食べさせないと、と考えてしまう。もう少し肉付きが良ければ抱き心地もいいですしとシエルが訊いていたら憤怒するだろう。 そんなことを悶々と考えているとセバスチャンと蚊の鳴くような音で呼ばれる。振り返ってもシエルはこちらに背を向けたままだ。しばらく待ってみても何も言わなかったので、寝言かと思いそのまま部屋を出ようと、ノブを回してドアを開ける。蝶番がなる音がすると今度はセバスチャンとしっかりした声で呼ばれた。 「坊ちゃん?」 「……」 「……」 「…き、るな…」 「え?今なんて言いました?」 シエルは肩にかかっている布団を被りなおして縮こまる。埒が明かないとシエルに近づこうと一歩踏み出すと、布団を跳ね除けてがばりと勢いよく起き上がった。 「坊ちゃ…」 「浮気…したら許さないからな!」 「!」 それだけ言うともう一度勢いよく布団の中へとんぼ返りした。布団を今度は頭から被って貝のように閉じこもっている。よほど先ほどの台詞が恥ずかしかったんだなとセバスチャンは苦笑する。 「しませんよ。坊ちゃんこそもう人妻なんですから、私の居ない時に私以外の男を連れ込まないでくださいね?」 「だ、誰がそんなことするか!」 「愛し合ったばかりの新妻を置いていくのは些か不安ですがいい子にしていてくださいね?ちゃんといい子にしていたらご褒美をあげますから」 「……ご褒美…?」 「とっても甘いスイーツですよ」 夜にベッドで食べるやつですけどね。 そんなシエルにとっては不吉なことを考えて部屋を出て行く。この場合食べる側はセバスチャンになるのかもしれないが。 バタンとドアを閉めて少しの間扉に寄り掛かる。本当は離れたくない。ずっとシエルの傍らで愛を信じない子供に愛を囁きたい。甘い砂糖漬けのような愛をその心に身体に教えていきたい。 昨夜のシエルの痴態を思い出すだけでどくりと下半身に血が集まる。これいじょうはまずいと脳裏に思い浮かぶ甘いシエルとのひと時を振り払う。焦らなくてもいい。どうせ今日も愛を交わすつもりなんだから。 長い廊下を歩いていく。人間の言う幸せとはこんなことを言うんだろうなとセバスチャンは実感する。まさか長い悪魔人生で妻を娶るとは思わなかった。 これからが楽しみで仕方ない。シエルに自分好みのセックスを教えてどっぷり自分の欲望に浸らせるのだ。自分以外に決して目がいかないように。 「楽しみですね、坊ちゃん」 今はいないシエルに問いかける。悪魔に見初められたシエルには可哀そうだが、自分は逃がす気なんて毛頭ない。例え、シエル自身の願いでもそれだけは聞けない。もし自分から逃げようとするのなら手足の骨を砕いて、鎖に繋いでやる。そんな物騒なことまで考えてしまう。 本当に愛しているのだ。あの小さな子供を。 「とりあえずは」 セバスチャンは歩みを止めて、顎に手をかけて腕を組む。 「子供は最低でも3人ですかね」 もしここにシエルがいてセバスチャンの明るい家族計画を聞いていたらこう叫ぶだろう。 「僕が産めるわけないだろう!ド阿呆!」 PR |
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